RFIDを導入するにあたり理解しておきたいのが通信距離です。通信距離により、適している用途などは異なります。ここでは、通信距離の目安、通信距離の測り方、通信距離が長いメリットを解説しています。
RFIDの通信距離は、リーダ/ライタでRFタグの情報を読み取れる距離といえるでしょう。具体的な通信距離は製品により大きく異なります。通信距離を決める主な要因は、通信方式とリーダ/ライタ・RFタグに設けられたアンテナの性能です。
RFIDの通信方式は、電磁誘導方式と電波方式にわかれます。電磁誘導方式の周波数帯は中波(135kHz以下)と短波(13.56MHz)です。中波の通信距離は10cm以内、短波の通信距離は30cm以内となっています。電波方式の周波数帯はUHF帯(900MHz帯)とマイクロ波(2.45GHz)にわかれます。UHF帯の通信距離は5m以内、マイクロ波の通信距離は2m以内です。(※距離は目安)
以上に加え、アンテナの性能も影響します。電波の受信しやすさを利得といいます。利得が高いアンテナは効率よく電波を受信できます。つまり、小さな電波も受信できるのです。ただし、利得が大きくなると受信できる電波の範囲は狭くなってしまいます。ちなみに、RFタグの通信距離は、アンテナのサイズと比例して長くなる傾向があります。
RFIDの通信距離は、RSSIという信号を用いて測定できます。RSSIは「Received Signal Strength Indication」の頭文字で構成される略語です。日本語で「受信信号強度」と訳されます。つまり、受信した電波の強さを意味します。RFIDの通信距離は次の方法で測定できます。
リーダ/ライタとRFタグの距離が遠くなるとRSSIの数値は大きくなります。したがって、RSSIを用いれが通信距離を測定できるのです。ただし、RSSIの数値は周辺の環境からも影響を受けます。通信距離を測定するときは「正確な数値が出ているか」などを事前に確認しておく必要があります。
通信距離が長いと、遠くの製品などに取り付けたRFタグを読み取れます。例えば、高い場所に保管されている製品のRFタグを、脚立を使わず読み取るなどが可能です。あるいは、資材を保管しているラックから少し離れて、まとめてRFタグを読み取るなども考えられます。使用環境によっては、読み取り作業を効率化できるでしょう。
RFIDのリーダ/ライタとRFタグは、多少の障害物があっても交信できます。この特徴を生かせば、箱の中に入っている製品などのRFタグを読み込むことも可能です。ただし、通信距離が短いと、読み込みにあたり箱を開けなければならないことがあります。箱を開けずに作業を行える点も通信距離が長いRFIDのメリットといえるでしょう。
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