洋服や服飾品等を取り扱うアパレル業界では、数ある業界の中でも比較的早い段階からRFIDの導入を行ってきました。どのようなシーンでRFIDが活用されているのか、参考となる導入事例を紹介しています。
当メディアではコスト削減やRFIDの安定生産を目的としたRFIDのリプレイスを考えている企業、これからRFIDを導入したい企業に向けて、RFID導入を支援するメーカーを紹介していますので、参考にしてください。
アパレル業界でこれまで行われてきたバーコードによる個品管理は、商品を1点ずつ読み取る必要があります。また、読み取り時に箱やビニールから商品を取り出す手間も発生するため、非常に多くの労力を必要とします。
そのため、作業量が膨大になる点が課題として挙げられます。
テンタックでは、アパレル業務向けにRFIDタグ・RFIDシール・金属対応タグなどを提供しています。店舗ではハンディリーダー、物流現場ではトンネル式ゲートを活用し、棚卸・入出庫管理・商品探索・会計業務を効率化できる仕組みを構築しています。
RFIDを活用すると、箱を開梱せずに商品を一括で読み取れるため、棚卸・入出庫業務の時間を約90%短縮できます。また、在庫精度が向上することで、ゴーストストックや店頭欠品の改善につながり、販売機会の損失も抑えられます。
さらに、ハンディリーダーを活用すれば商品を探す時間を短縮できます。会計時にも一括読み取りを活用することで、混雑時のレジ待ちの解消につなげられます。
引用元:東北システムズ・サポート公式HP
(https://rfid.tss21.co.jp/ex/casestudy/retail/lapine.html )
フォーマルからカジュアルまで、バラエティー豊かな婦人服を扱うラピーヌの事例です。
ラピーヌでは四半期に1度棚卸を行っており、従来はすべての商品のバーコードを光学スキャナで読み取っていました。接客の合間や閉店後にスタッフが1点ずつ確認する必要があり、棚卸にかかる時間は1店舗あたり1~2時間、大型店舗では4時間以上を要していました。
また、ハンガーに吊るしていない小物類やカットソーなどは、箱や袋から取り出してスキャンした後、元に戻す作業が発生しており、大きな負担となっていました。
ラピーヌでは、東北システムズ・サポートのRFIDリーダー「DOTR-2000シリーズ」を活用したRFIDソリューションを導入しました。Windows対応、液晶パネル付き、光学スキャナ搭載により、既存システムやバーコード商品とも連携しやすい構成です。
RFIDの導入後は、店内すべての商品を2~3回のスキャンで読み取れるようになりました。実在庫と理論在庫の照合作業も含め、作業時間は従来の1/5ほどに圧縮されています。スタッフの労力を軽減できたほか、バーコードの読み取り漏れによるミスもなくなりました。
また、商品を箱や袋から取り出す際に素手で触れずに済むため、財布などの小物類の品質維持にも貢献しています。
日用品・アパレル・自動車用部品・精密機器などの倉庫業を主な事業とする、富士ロジテック浜松での導入事例です。
アパレル倉庫におけるピッキング作業をバーコードスキャンと目視で行っていましたが、バーコードの二重読み取りやチェックミスが発生しており、この問題の解消が急がれていました。
富士ロジテック浜松では、アパレル倉庫でのピッキング業務に「DOTR-900Jシリーズ」と「DOTR-2000シリーズ」の特定小電力モデルを導入しました。バーコード管理からICタグ管理へ切り替え、読み取り作業の正確性を高めています。
RFIDリーダーの導入により、ヒューマンエラーによるチェックミスをゼロにすることができました。また、バーコードからICタグへ切り替えたことで二重読み取りのミスもなくなり、返品商品の入荷処理や出荷ピッキング作業も効率化されています。
オムニチャネルソリューション事業などを手がけるAMSでは、アパレル倉庫内での棚卸作業、入荷・出荷時の検品、商品の探索に多くの時間を要しており、RFIDによる作業時間短縮を求めていました。
AMSでは、アパレル倉庫での入出荷・棚卸・探索にRFIDリーダー「RFD8500」を導入しました。ハンディ型のRFIDリーダーを使い、倉庫内の商品をまとめて読み取れるようにすることで、検品や探索にかかる作業負担を軽減しています。
RFIDを導入したことで、入荷・出荷の検品にかかる作業時間を大幅に削減。これまでスタッフ4名で1日かかっていた作業を、スタッフ2名・1時間で完了できるようになりました。棚卸にかかる時間も大きく短縮されています。
引用元:Checkpoint Systems公式HP
(https://checkpointjapan.co.jp/by-industry/fashion-apparel-rfid/)
輸入古着専門店の「古着屋JAM」では、在庫管理にかかる工数が多く、スタッフの負担が大きい課題を抱えていました。
入出荷・商品検索・棚卸の業務に多くの人員や時間がかかっていたため、業務効率の改善が必要でした。また、盗難によるロスによって売上が低下する可能性も懸念されていました。
古着屋JAMでは、チェックポイントジャパンのRFID防犯ゲート「G36」を採用しました。RFIDタグの情報をもとにゲートで商品を検知する仕組みで、在庫管理の効率化に加え、アパレル店舗になじみやすい透明感のあるゲートで盗難対策を行っています。
RFIDタグによって在庫精度を向上させ、業務効率の改善とロス対策の強化を実現しました。RFIDゲートはお客様の通行に支障をきたしにくい仕様で、店舗入口にも設置しやすい点が特徴です。
万が一の盗難時も商品を特定できるため、早期返還や加害者の早期発見につながる「一歩先の万引き対策」が可能です。
イオングループのアパレルショップ「ikka」などを展開するコックスでは、各店舗で在庫品のJANコードを1点ずつスキャンして棚卸を行っていました。
店内には約5,000点の商品があり、棚卸に多くの時間と人手がかかっていたため、接客などの顧客サービスに影響が出ていることが課題でした。また、正確な在庫把握が難しく、販売機会のロスにもつながっていました。
コックスでは、サトーのRFID棚卸システム「大車輪SaaS」を活用し、店舗内の商品をRFIDで読み取れる仕組みを導入しました。商品にスキャナーをかざすだけで一括読み取りができるため、従来のJANコードを1点ずつ読み取る作業を効率化しています。
RFIDを活用したことで、スタッフ6人で延べ40時間かかっていた棚卸が、1人で約3時間に短縮されました。迅速に読み取っても商品の種類と数量を正確に認識できるため、在庫管理の精度向上にもつながっています。
棚卸業務の負担が大きく軽減されたことで、スタッフが接客などの顧客サービスに時間を使いやすくなりました。
引用元:サトー公式HP
(https://www.sato.co.jp/case/niime.html)
播州織のショールを中心とした一点もののアパレル作品を手がける玉木新雌では、QRコードを活用して常時4〜5万点もの作品を管理していました。
しかし、作品点数の増加により、倉庫・店舗・ECサイト間で作品の所在やステータスがわかりにくくなり、探索や棚卸に膨大な時間がかかることが課題となっていました。
玉木新雌では、既存の管理システムを生かしながら、サトーのRFIDシステムとラベルプリンターを導入しました。RFIDにより作品を段ボールの外から一括で読み取れるようにし、必要なラベルを1枚ずつ印字できる運用へ切り替えています。
RFIDシステムの導入により、20名体制で1週間ほどかかっていた棚卸が、ダブルチェックを含めても2名で実質1日で完了するようになりました。棚卸工数は約10分の1に削減されています。
また、ハンディターミナルで作品の所在を確認できるようになり、作品探索やピッキングの時間も大幅に短縮。創作など本来の業務に集中しやすい環境づくりにつながっています。
RFIDは棚卸、入出荷検品、在庫管理、レジ、防犯など幅広く活用できます。まずはどの業務課題を解決したいのかを明確にし、作業時間の短縮、在庫精度の向上、販売機会ロスの削減など、導入後に確認する効果を定めておくことが大切です。
アパレル商品では、下げ札、シール、ケアラベルなど複数のタグ形状が考えられます。衣類・靴・小物など商品特性によって読み取りやすさが変わるため、実際の商品や保管状態に合うタグを選ぶことが重要です。
RFIDで読み取った情報を活用するには、在庫管理システムやPOS、EC、WMSなどとの連携が欠かせません。読み取りだけで終わらせず、在庫データへ正しく反映できる仕組みを整えることで、現場で使いやすい運用につながります。
RFIDの読み取り精度は、棚の配置、商品の重なり、箱詰め状態、読み取り距離などによって変わります。本格導入前に店舗や倉庫で検証を行い、実運用に近い環境で読み取り精度を確認しておくことが大切です。
RFIDは全店舗や全倉庫へ一度に導入するのではなく、棚卸や入出荷検品など効果が見えやすい業務から始める方法もあります。作業時間や人員、読み取り精度の変化を確認しながら、段階的に活用範囲を広げるとよいでしょう。
RFIDは、店内や倉庫の商品を一括で読み取れるため、棚卸作業の効率化に役立ちます。バーコードのように1点ずつ読み取る必要がなく、作業時間の短縮や読み取り漏れの削減につながる点が大きなメリットです。
物流センターや店舗での入出荷検品にもRFIDを活用できます。箱を開けずに商品をまとめて読み取れるため、検品作業の省力化や数量確認の精度向上が期待できます。目視確認やバーコードスキャンによるミスの削減にもつながります。
RFIDリーダーを使えば、店舗やバックヤード、倉庫内の商品を探しやすくなります。サイズ違いや色違いなどSKU数が多いアパレルでは、商品探索にかかる時間を短縮でき、接客や出荷作業の効率化にもつながります。
RFIDは複数の商品を一括で読み取れるため、レジ業務の効率化にも向いています。会計時間を短縮できるため、セール時や混雑時のレジ待ち解消に役立ちます。セルフレジと組み合わせることで、省人化にもつながります。
RFIDタグと防犯ゲートを組み合わせることで、商品単位での持ち出し検知に活用できます。在庫管理と防犯を一体化できるため、万引きや不明ロスの抑制につながります。盗難時の商品特定にも役立つ点が特徴です。
RFIDで店舗在庫とEC在庫を正確に把握できれば、店舗受取や店舗出荷、取り置き対応などに活用できます。在庫精度の向上により、店頭欠品や販売機会ロスを減らし、実店舗とECを連携しやすくなります。
アパレル業界は取り扱う商品量が多いため、在庫管理や入出荷、棚卸の作業に多くの人員と時間を必要とします。RFIDを導入することで、ひとつひとつの作業を効率化し、必要な人員数も削減することが可能です。その他にも、販売機会のロスや盗難などによる被害の減少も期待できます。
当メディアでは、RFIDメーカーを紹介しています。「製造業」「アパレル業界」「医療業界」といった業界別に、おすすめのRFIDメーカーを紹介していますので、参考にしてください。
【業種別】おすすめのRFIDメーカー3選

RFIDの用途を「製品管理」「資産管理」「人の管理」の3つに分け、それぞれの用途に強みのあるRFIDメーカーを紹介。
導入から保守まで支援してくれるRFIDソリューションも手掛けています。
RECOMMENDED
引用元:オカベマーキングシステム公式HP
(https://www.okabe-ms.co.jp/solution/rfid-outline)
引用元:Checkpoint Systems公式HP
(https://checkpointsystems.com/jp/rfid-solutions/)
引用元:東芝テック公式HP
(https://www.toshibatec.co.jp/products/auto_id/iryou_solution/)