高度な無線通信技術によって成り立っているRFIDですが、RFIDタグが読み取り不可となってしまうことがあります。ここでは、RFIDの読み込みトラブルが発生する原因について解説します。
読み込みトラブルが発生する原因は6つ考えられます。ここではその原因と対処法をそれぞれ解説するため、ぜひ参考にしてください。
RFIDタグそのものに不良がある場合読み込みトラブルが発生することがあります。タグ提供者による全数検査が行われているため明らかな故障は少ないと考えられますが、タグの個体差による性能の差異があるため、リーダーライターで簡易的に合否判定されたタグは注意が必要です。
不良が見られる RFID タグはマークを付けて取り除き、使用しないようにしましょう。不良品が多く業務に支障が出る状態であれば、RFID タグベンダーから納品される受け入れ検査を行う必要があります。
RFIDタグは金属の影響を大きく受けます。タグやリーダーアンテナの周囲に金属類があると、読み取りができなくなったり読み取り性能が損なわれたりする場合があるのです。出力が大きいほど影響が大きくなるため、少しでも金属類からタグやアンテナを遠ざける必要があります。それが難しければ、磁性体シートで影響を少なくする方法がおすすめです。
また金属に貼り付ける必要がある場合は、金属対応タグを使いましょう。金属対応タグを使用した場合、貼り付けた背面側の受信距離が短くなるため、表面から読み取りを行えます。
RFIDは複数のタグを一括で読み取れるメリットがあります。しかしタグが重なっていると、相互干渉によって読み取れないタグが発生するため注意が必要です。RFIDタグに内蔵されたアンテナ間で干渉が起こり、読み書きできなくなる可能性があります。RFIDタグの貼り付け方法や取付方法を工夫するほか、干渉が起きないように距離を離して設置することが大切です。
また「積層タグ」と呼ばれる、重なり合ったタグも確実に読み取りできるものもあります。タグを重ねて読み取りしたい場合はそちらの導入を検討してみましょう。
複数のアンテナを設置する場合は、設置位置に注意が必要です。リーダーライター側のアンテナを接近して複数設置すると相互干渉が発生し、読み取りトラブルが起きてしまう場合があります。アンテナ出力が大きいほど、影響が大きくなります。アンテナ同士の間隔を十分に確保して設置しましょう。
またどうしても複数のアンテナを近接せざるを得ない場合には、アンテナ同士が影響しにくくなるよう、アンテナの出力を落としたり向きを変えたりなどの工夫が必要です。
RFIDは、リーダーライター側のアンテナとタグ側のアンテナの位置関係によって読み取り性能が変化する特徴があります。アンテナ同士が並行だと読み取り性能が最大化しますが、リーダーライター側のアンテナに対してタグ側のアンテナが垂直になると、性能が低下して、読み取りができないトラブルが発生しやすくなるのです。
タグとアンテナの位置関係による読み込みトラブルを防ぐには、常にアンテナ同士を平行に保つようにしましょう。それが難しい場合は、特性の異なるRFIDシステムを選ぶようにしてください。
RFIDシステムの無線通信には、さまざまな周波数帯が用いられています。具体的には、LF帯やHF帯、UHF帯、マイクロ波帯などです。周波数によって通信可能な距離や材質による影響が異なるため、用途に応じて最適な周波数帯のRFIDシステムを選ばなくてはいけません。
【用途別】おすすめのRFIDメーカー3選
RFIDの用途を「製品管理」「資産管理」「人の管理」の3つに分け、それぞれの用途に強みのあるRFIDメーカーを紹介。
導入から保守まで支援してくれるRFIDソリューションも手掛けています。
RECOMMENDED
製品管理・資産管理・人の管理といった、RFIDの用途別のおすすめメーカーを3社ピックアップ。それぞれの特徴をご紹介します。
電話番号の記載がありませんでした
【このサイトに掲載する企業の選出基準】
2022年7月29日時点、「RFID メーカー」とGoogle検索して表示された上位44社を掲載。
【3選の選定基準】
前提条件…公式HPを調査し、仕様の作成からタグの製造、ハードウェアの選定まで、RFIDのソリューションをワンストップで対応するメーカーを選出。条件に合致したメーカーの中から、以下の基準で3社を選出しました。
・テンタック…日本・世界に12箇所の拠点(生産拠点と営業拠点を合算)があり、 1億枚以上のRFIDを供給することができる。
・DNP…工具や精密機器、重要書類の管理といった資産管理向けのサービスを提供しており、金属対応タグから特殊加工タグまで資産管理に適したタグに加工することができる。
・アイニックス…入退室・勤怠管理、動線分析、運送システムのRFIDソリューションを手掛けている。