RFIDタグのメモリ領域には「EPCメモリ」「TIDメモリ」「USERメモリ」「RESERVEDメモリ」の4つの種類があります。ここでは、それぞれのメモリ領域について解説します。
RFIDタグのEPCメモリは、ICタグを識別するために使用されるコード情報の領域です。EPCメモリは、CRC領域、PC領域、UII領域の3つの部分で構成されています。
CRC領域はICタグのコード情報が正しく読み書きできたかどうかを検証するための領域で、ユーザー自身での書き込みが不能です。PC領域はICタグの種類や通信方式に関する情報を格納しています。UII領域はICタグのコード情報を格納し、一般的にはEPC識別コードを格納することが推奨されています。
EPC識別コードはGS1が標準化したさまざまな情報の種類とフォーマットを管理するコードで、GTIN等のGS1が定める標準識別コードが基礎となっています。GS1アプリケーション識別子という2桁から4桁の数字のコードを商品製造日、ロット番号などのデータの先頭に付けて使用することで、シリアル番号を生成可能です。このシリアル番号をEPCメモリのUII領域に格納することで、RFIDタグに独自のIDコードを書き込んで使用できます。
TIDメモリはタグの製造元やモデル番号、シリアル番号などの識別情報が格納されています。このメモリ領域は書き換え不可能な領域であり、読み取り専用です。また、TIDメモリ領域は、EPCグローバル識別子(EPC)の生成に使用されることがあります。
一般的にRFIDタグのTIDメモリ領域は、ユーザーが制御することができません。しかしICタグには各メモリ領域を個別にロックする機能があり、TIDメモリ領域に対してもロックをかけることができます。これにより、TIDメモリ領域が意図しないアクセスから保護されます。
USERメモリは、ユーザーが自由にデータを読み書きできる領域です。そのため、企業独自の情報を書き込むことができます。RFIDタグによっては、USERメモリの自由度が異なります。リードオンリー型、ライトワンス型、リードライト型など、アクセス方法によってデータの書き込み可否や回数が異なるため注意が必要です。また書き込みには、RFIDリーダーライターやRFIDプリンターを使用します。
RESERVEDメモリは、RFIDを読み取り専用にする「Access Password領域」とタグを無効化する「Kill Password領域」の2つの領域で構成されます。RESERVEDメモリの主な目的な、機密データの保護とシールドの提供です。
32ビットの長さのアクセスとキル・パスワードが格納されており、アクセス・パスワードは読み取り・書き込みのロックまたはロック解除に使用します。キル・パスワードはタグの読み取り機能をブロック・破壊するために使用されるものです。
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