商品運搬を行う物流業界では、物の流れを詳細に把握しておく必要があります。ここでは、物流業界におけるRFIDの導入事例と、それによって得られた効果の一例をご紹介していきます。
当メディアではコスト削減やRFIDの安定生産を目的としたRFIDのリプレイスを考えている企業、これからRFIDを導入したい企業に向けて、RFID導入を支援するメーカーを紹介していますので、参考にしてください。
引用元:マーストーケンソリューション公式HP
https://www.mars-tohken.co.jp/case/rfid-apparel-supplychain-2/
導入対象となる物流センターでは、商品の入荷・出荷検品作業にバーコードを用いていました。しかし、バーコードでは各商品を1点ずつ読み取る必要があるため、取扱品目数の増加や出荷量の拡大に伴い、検品作業に多くの時間と人員が必要となっていました。
また、値札タグが見えにくい位置にある場合や、複数のタグが重なっている場合、蒸着フィルムの反射で読み取りにくい場合など、商品の包装状態によって作業が煩雑になることも課題でした。さらに、読み取り漏れ・重複読み取りといった人為的ミスによって、在庫精度が低下するリスクも抱えていました。
これらの課題を解決するため、各商品にUHF帯RFIDタグを取り付け、トンネルゲートを用いて一括読み取りを行うシステムを構築。物流センター内での入荷・出荷検品作業を自動化できるようにしました。
バーコードのように商品を1点ずつ狙って読み取るのではなく、梱包された状態のまま複数の商品タグをまとめて読み取れる仕組みにしたことで、段ボールを開けて商品を取り出す手間を削減。さらに、UHF帯RFIDハンディリーダーを活用することで、バックヤードでの棚卸作業の効率化にもつなげています。
RFIDを活用して入荷・出荷検品作業を自動化したことで、従来のバーコード運用に比べて作業時間を大幅に削減。大量の商品であっても一括で読み取れるようになり、検品作業の省人化と効率化を実現しました。
また、読み取り漏れや重複読み取りといった人為的ミスの防止にもつながり、工場・物流センター・店舗間における入出荷精度が向上。商品1点ごとの個品管理が可能になったことで、EC在庫・店舗在庫・返品時の運用など、オムニチャネル対応にも活用できるようになりました。
引用元:サトー公式HP
https://www.sato.co.jp/case/tb.html
一般貨物自動車運送事業・流通加工事業などを手がけるTBロジスティクスでは、製品の格納・ピッキング作業を目視で行っていました。製品を照合するためのツールがなく、作業者の確認に頼る運用となっていたため、目視による照合ミスや誤出荷の発生が課題となっていました。
また、ピッキング業務では製品の保管場所を覚える必要があり、習熟までに約2週間を要していました。出荷時の確認作業では、ミスを防ぐために2人1組で読み上げを行っていましたが、それでも年間4~5件の誤出荷が発生しており、後工程に迷惑をかけてしまうリスクを抱えていました。
これらの課題を解決するため、RFID照合システムと音声検品システムを導入。製品の格納・ピッキング時にRFIDを用いて照合できる仕組みを整え、目視に頼っていた作業の正確性向上を図りました。
導入にあたっては、製品ロケを取り付ける棚が金属製であったため、金属に強いRFIDタグを選定。タグのサイズや取り付け位置、パイプからの距離、電波強度などを調整しながら、現場の運用に合う形でシステムを構築しました。さらに、音声検品システムを組み合わせることで、出荷時の確認作業を1人でも行える体制にしています。
RFID照合システムの導入により、製品の保管場所を記憶しなくても作業できるようになり、ピッキング業務の習熟期間は約2週間から約3日へと大幅に短縮されました。熟練者がOJTで付き添う期間も減り、作業者の負担軽減にもつながっています。
また、出荷時の確認作業は2人1組から1人で対応できるようになり、音声検品システムによって両手を使いながら作業することも可能になりました。結果として、年間4~5件発生していた誤出荷は0件となり、作業者にとっても「間違えていない」という安心感を得られる仕組みとなっています。
引用元:東北システムズ・サポート公式HP
https://rfid.tss21.co.jp/ex/casestudy/manufacture/fuji-tennen.html
富士山の天然水オリジナルPETボトル販売などを手がける株式会社富士山の天然水では、出荷に使用したパレットの所在が不明になることが頻発していました。
どこに何枚出荷し、在庫が何枚あるのかを正確に把握できないことで、パレットの補充などに無駄な費用がかかってしまうことが課題となっていました。
これらの課題を解決するため、入出荷時におけるパレット枚数の確認にICタグを使用。パレットの入出荷管理をRFID化し、出荷状況を明確に把握できる仕組みを構築しました。
導入製品としてRFD8500を活用し、パレットの入荷・出荷時に数量を確認できるようにしました。これにより、出荷先や在庫数の情報を管理しやすくしています。
RFIDを活用したことで、出荷および入荷するパレットの数量を一瞬で確認できるようになりました。手間をかけずに枚数を把握できるため、パレットの在庫管理を正確に行いやすくなっています。
また、どこへ出荷したかという情報を実績として残せるようになったことで、パレットの所在をトレースできるようになりました。その結果、所在不明になるパレットを減らし、無駄にかかる費用の削減につながっています。
引用元:東芝テック公式HP
https://www.toshibatec.co.jp/casestudy/scm-rengo.html
原紙からの段ボール一貫生産を強みとするレンゴーでは、拠点間物流の効率化が重要な課題のひとつとなっていました。特に、2021年9月に稼働した淀川流通センターでは、1日2,000~3,000トンの段ボール原紙の入出庫が見込まれており、出荷管理の省力化が求められていました。
従来は、ドライバーが原紙ロールに添付されたラベルのバーコードを読み取ることで出荷管理を行っていました。しかし、荷台上での作業には荷台からの転落やリフトとの接触といった安全面でのリスクがあり、ドライバーの負荷軽減と物流業務の効率化が課題となっていました。
これらの課題を解決するため、クランプリフトにRFアンテナを装着し、トラックに積み込む際に原紙ロールへ貼付したRFタグを自動で読み取る仕組みを導入しました。金津工場・尼崎工場にはオートラベラーを配備し、原紙ロールへのRFタグ貼付も自動化しています。
RFIDは電波が届く範囲の複数タグを同時に読み取れる一方で、出荷管理では目的のタグだけを正確に読み取る仕組みが必要でした。そのため、マイティキューブ社のミドルウェア「ナイスミドル」を活用し、クランプがつかんでいる原紙ロールのRFIDだけを正確に読み取れるようにしました。また、全6本のコンベアにRFアンテナを配置し、自動倉庫への入庫管理も自動化しています。
RFIDによる自動認識ソリューションを導入したことで、出荷管理の自動化によるドライバーの負荷軽減と、トラック積み込み作業の安全性向上につながりました。ドライバーが荷台上でバーコードを読み取る作業を減らせるため、ホワイト物流の推進にも貢献しています。
また、物流業務の正確化にもRFIDが役立っています。淀川流通センターでは、軽量アクリル電波反射パネルを導入することで、電波の遮断と視認性の確保を両立。誤読を防ぎながら、出荷管理・入庫管理の効率化を進めています。
引用元:TOPPAN Edge公式HP
https://rfid.toppan-edge.co.jp/example/detail05.html
首都圏・関西圏を中心に総合物流サービスを展開する安田倉庫では、預かっている文書などの資産が正しい場所に保管されているかを確認するため、棚卸しを定期的に実施していました。
しかし、棚卸し作業では、倉庫内の天井付近まである棚に前後2列で並べられた文書保管箱のバーコードを一つひとつ確認する必要があり、多大な時間と労力がかかっていました。また、高所での作業ではオーダーピッカーのリフトに担当者が乗り込む必要があり、危険を伴う点も課題となっていました。
これらの課題を解決するため、従来から使用していたオーダーピッカーにリーダー・ライターを取り付け、各文書保管箱にはRFIDタグを貼付。保管内容・位置・期限などの情報をシステム上で管理できる仕組みを構築しました。
棚卸し作業では、オーダーピッカーで倉庫内を一巡するだけで、リーダー・ライターが文書保管箱のRFIDタグ情報を自動で収集。読み取ったデータを、基幹システムから取り込んだ理論在庫の情報と照合することで、棚卸しを完了できるようにしました。また、RFIDタグの読み取り強度から保管位置の整合性を自動で検証し、保管位置の誤りも確認できるようにしています。
RFIDシステムの導入により、30万箱の棚卸しに500時間かかっていた作業時間を21時間へ削減。棚卸し時間を大幅に短縮し、作業効率の向上を実現しました。
また、棚卸し作業を機械化したことで、作業者にかかる肉体的な負担を軽減。高所での危険作業も不要になりました。さらに、既存のオーダーピッカーを活かした運用により、低コストでシステム導入を実現できた点もメリットです。
物流業界では、入荷・保管・ピッキング・出荷・積み込み・棚卸など、モノの移動に合わせて多くの確認作業が発生します。RFIDは、商品やケース、パレットなどに取り付けたタグを非接触で読み取れるため、バーコードや目視に頼っていた作業の効率化に活用できます。
物流センターでは、入荷時や出荷時に商品・ケース・梱包単位を確認する検品作業が発生します。バーコード運用では1点ずつ読み取る必要があるため、取扱品目数や出荷量が増えるほど、作業時間と人員が必要になりやすい点が課題です。
RFIDを活用すれば、梱包された状態のまま複数の商品タグを一括で読み取ることができ、入出荷検品の自動化につなげられます。実際に、アパレル物流の事例では、トンネルゲートを用いた一括読み取りにより、物流センター内での入荷・出荷検品作業を自動化しています。
倉庫内の棚卸では、保管品が正しい場所にあるか、在庫数が理論在庫と一致しているかを確認する必要があります。保管数が多い場合や高所に荷物がある場合、目視やバーコードでの確認には多くの時間と労力がかかります。
RFIDを使えば、倉庫内を移動しながらタグ情報をまとめて収集し、在庫情報と照合する運用が可能です。安田倉庫の事例では、オーダーピッカーにリーダー・ライターを搭載し、文書保管箱のRFIDタグ情報を自動収集することで、30万箱の棚卸時間を500時間から21時間へ削減しています。
物流現場では、商品だけでなく、パレット・カゴ車・通い箱・コンテナなどの物流資材も管理対象になります。これらは拠点間や取引先との間を移動するため、どこへ何枚出荷したのか、現在どこにあるのかが分からなくなるケースがあります。
RFIDを取り付けて入出荷時に読み取れば、物流資材の数量や出荷先を実績として記録し、所在をトレースすることができます。富士山の天然水の事例では、入出荷時のパレット枚数確認にICタグを使用し、出荷先の実績を残すことでパレットの所在をトレースできるようにしています。
出荷現場では、トラックへ荷物を積み込む際に、積み込む荷物が出荷指示と合っているかを確認する作業が発生します。荷台上でのバーコード読み取りや目視確認は、作業者やドライバーの負荷になりやすく、安全面のリスクを伴う場合もあります。
RFIDを活用すれば、積み込み時にタグを自動で読み取り、出荷対象との照合を行うことができます。レンゴーの事例では、クランプリフトにRFアンテナを装着し、トラックに積み込む際に原紙ロールへ貼付したRFタグを自動読み取りする仕組みを導入。ドライバーの負荷軽減や積み込み作業の安全性向上につなげています。
倉庫内では、商品や保管箱が正しいロケーションに置かれているかを確認することも重要です。保管場所の誤りは、ピッキング時の探し物や出荷遅延、在庫差異につながる可能性があります。
RFIDを活用することで、タグ情報とロケーション情報を紐づけ、保管場所の整合性を確認することができます。安田倉庫の事例では、RFIDタグの読み取り強度から保管位置の整合性を自動で検証し、保管位置の誤りを確認できる仕組みを構築しています。
物流業務では、出荷先・品番・数量の確認ミスが誤出荷につながります。バーコードや目視による確認では、読み取り漏れや重複読み取り、確認忘れなどの人為的ミスを完全に防ぐことは難しくなります。
RFIDの読み取りデータを出荷指示や在庫データと照合すれば、実際に動いた荷物とシステム上の指示内容が合っているかを確認できます。入出荷検品の自動化事例でも、RFID導入により作業時間の削減だけでなく、人為的ミスの防止や入出荷精度の向上につながっています。
物流業界でRFIDを導入する際は、最初に「何を効率化したいのか」を明確にすることが重要です。入荷検品、出荷検品、棚卸、在庫管理、物流資材の管理など、現場によって課題は異なります。
目的が曖昧なまま導入すると、読み取り精度や費用ばかりが問題になり、十分な効果を得にくくなります。まずはRFIDで解決したい業務課題を具体化することが、導入成功の第一歩です。
物流現場では、商品単品だけでなく、ケース、パレット、カゴ車、オリコンなどの荷姿単位で管理する場面が多くあります。そのため、すべての商品にRFIDタグを付けることが最適とは限りません。
たとえば、出荷検品ではケース単位、資材管理ではカゴ車やパレット単位でRFIDを活用する方が、運用しやすく費用対効果も見込みやすくなります。現場の動きに合わせてどの単位で読み取るべきかを見極めることが大切です。
RFIDは離れた場所から一括で読み取れる一方で、読み取り場所の設計によって精度や運用性が大きく変わります。物流現場では、バース、コンベア、棚、ゲートなど、荷物が通過する地点ごとに設計を考える必要があります。
読み取り範囲が広すぎると隣の荷物まで読んでしまい、狭すぎると必要なタグを読み取れない可能性があります。導入前には、実際の動線や荷物の流れを確認しながらどこで何を読み取るかを設計することが重要です。
RFIDで読み取った情報は、現場で取得するだけでは十分に活用できません。WMS、TMS、ERPなどの既存システムと連携し、入出荷情報や在庫情報、配送情報と紐づけることで業務改善につながります。
連携方法を事前に確認しておかないと、読み取りデータを手作業で確認する必要が生じ、かえって運用負荷が増える場合があります。RFID導入時は取得したデータをどのシステムでどう活用するかまで設計しておくことが重要です。
RFID導入では、タグの単価だけでなく、リーダーやアンテナ、システム改修、設置工事、保守費用なども含めて検討する必要があります。また、タグの貼付作業や例外処理など、運用にかかる工数も見落とせません。
一方で、検品時間の短縮、誤出荷の防止、棚卸工数の削減、物流資材の紛失防止などの効果も期待できます。初期費用だけで判断せず、導入後の改善効果も含めてトータルで費用対効果を確認することが大切です。
物流業界では、入出荷検品や棚卸、パレット管理、トラック積み込み時の確認など、さまざまな場面でRFIDを活用できます。バーコードや目視に頼っていた作業を自動化することで、検品時間の短縮や誤出荷の防止、作業者の負担軽減につながります。
ただし、導入効果を高めるには、商品単品だけでなくケース・パレットなどの荷姿単位での管理や、読み取り場所、既存システムとの連携まで検討することが重要です。物流現場の効率化や誤出荷防止に向けてRFIDの導入を検討している方は、当メディアで紹介しているおすすめのRFIDメーカーもぜひチェックしてみてください。
【業種別】おすすめのRFIDメーカー3選

RFIDの用途を「製品管理」「資産管理」「人の管理」の3つに分け、それぞれの用途に強みのあるRFIDメーカーを紹介。
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引用元:オカベマーキングシステム公式HP
(https://www.okabe-ms.co.jp/solution/rfid-outline)
引用元:Checkpoint Systems公式HP
(https://checkpointsystems.com/jp/rfid-solutions/)
引用元:東芝テック公式HP
(https://www.toshibatec.co.jp/products/auto_id/iryou_solution/)